【クラニオセイクラルと脳脊髄液】

クラニオセイクラルと脳脊髄液

脳脊髄液とは脳や脊髄を流れる無色透明の液体で、保護などの役割があるとされています。

クラニオセイクラルセラピーは頭蓋骨に軽く触れ、脳脊髄液のリズムを感じ取り循環を促しながら、頭蓋骨の内圧を調節するという理論の手技療法です。

しかし、頭蓋内圧は軽い力では変化せず、脳脊髄液のリズムを感じ取るのは難しいとの実験結果があります。※下記「」内は引用です。

頭蓋内圧が変化する圧力

「頭蓋冠縫合の物理的マニュピレーションが、冠状縫合における動きと共に頭蓋内圧(ICP)の変化をもたらすかを調べた。
ウサギ13匹を麻酔し、冠状縫合を横切って、5,10,15および20gの負荷を適用した。
しかし有意差はなかった。」

「一匹だけ100〜10,000gの圧力で検査をした。縫合が0.30mm離れることが生じたが、頭蓋内圧は500gの力まで変化は見られなかった。低い荷重は、ウサギの冠状縫合運動または頭蓋内圧に有意な変化をもたらさなかった。」

・Craniosacral therapy: the effects of cranial manipulation on intracranial pressure and cranial bone movement.
Downey PA, et al. J Orthop Sports Phys Ther. 2006.

頭蓋骨と仙骨への触診

「頭蓋内および仙骨における同時の動きを説明するために使用される頭蓋仙骨相互作用の「コアリンク」仮説を調査し、CRI(クラニオリズムインパルス)の触診の信頼性を確立することを目的とした」という実験です。

「結論:頭蓋冠部のクラニオセイクラルセラピーとオステオパシーの支持者によって伝統的に保持されているように、「コアリンク」仮説の構築の妥当性を裏付けるものではない。」

・Intraexaminer and interexaminer reliability for palpation of the cranial rhythmic impulse at the head and sacrum.Moran RW, et al. J Manipulative Physiol Ther. 2001 Mar-Apr.

頭蓋骨に触れることへの神経的な見方

「後頭部への接触は機械受容器を刺激する – 機械的に刺激された感覚情報が皮神経(後頭神経、上頚部の脊髄神経根からの皮枝)を通って後根神経節に入る。

そこから、穏やかな外受容入力は(身体の外から生じる)、脊髄レベルと感覚野レベルの両方でCNS(中枢神経系)によって処理される。

この入力の一部は、無意識のうちに処理され、その結果、運動出力は反射的で(例えば、頭皮および関連する皮神経トンネルへの血流を身体の残りの部分に向かって増加させる),

そして、残りの入力は、患者の感覚野/意識の気づきによって評価され、覚醒している個人の中枢神経系の認知-評価および動機-感情の側面に至るまで、脳のすべての部分をフィルタリングし、ならびに、すべての運動出力の部位に再び届く。」

・humanantigravitysuit/SUNDAY, JANUARY 07, 2007   Hands on Heads/Diane Jacobs

まとめ

クラニオセイクラルのアプローチは、神経系やタッチングから見ると効果が高いと考えています。

しかし、頭蓋内圧を変化させるには5gの圧力では不可能であり、ウサギの場合でも最低500gの圧力を掛けなければ縫合は動きません。また、その圧力でも頭蓋内圧には変化がありませんでした。

そして、もう一つの実験では脳脊髄液のリズムを感じ取ることはオステオパシーの人でも難しい可能性が高いという研究結果です。

それよりも、神経系への入力による、中枢神経や自律神経の変化が、身体への変化に繋がる可能性が高いと考えられます。

頭蓋骨の内部より、頭蓋の皮膚にある表皮、真皮、脂肪層、筋膜、動脈、リンパ、神経、心理的なものの働きを、まずは考えて見てはいかがでしょうか。

テクニックについて参考になります。

クラニオセイクラルオステオパシー


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