【皮膚の伸張・腱の振動よる運動錯覚】

運動錯覚とは?

運動錯覚とは、実際に手足を動かしてないのに、手足の位置感覚が変化したり、伸びたりするような身体の錯覚の事です。

その運動錯覚を起こすことにより、痛みの軽減があるという研究結果があります。

皮膚の伸張・振動による運動錯覚

皮膚の伸張や腱の振動によって、意識的知覚に変化が生じるかの実験です。

「皮膚伸張は、19人の被験者のうち11人(58%)において動きの錯覚を誘発した。 両方の皮膚刺激を受けたすべての被験者において、17人のうち12人(71%)が、刺激技術の1つまたは他のものでいくつかの運動感覚を報告した。 振動は、最も信頼できる刺激様式である傾向があり、16人の被験者のうち14人(88%)において幻想的な動きを引き起こした。」

Movement illusions evoked by ensemble cutaneous input from the dorsum of the human hand.Collins DF, et al. J Physiol. 1996.

「振動と皮膚のストレッチを組み合わせると、皮膚の伸びた領域で最大の運動錯覚が起こった。」

「中枢神経が、皮膚と筋紡錘受容体からのフィードバックを連続的に統合することを示した。」

Sensory integration in the perception of movements at the human metacarpophalangeal joint
D F Collins, K M Refshauge, and S C Gandevia

運動錯覚と痛みの軽減

「関節炎の被験者20人(平均70歳)に、手が伸び縮みしてるように見える機械を使用し、錯視による痛みの減少を調べました。結果、85%の人が痛みが半減したと言いました。」

Mind tricks may help arthritic pain By Anthony Bartram BBC News Correspondent

「骨折した患者26人に対し、腱を振動させることによって運動錯覚(手が伸び縮みしているような感覚)が起こりました。実際に運動している時と同じように脳の運動感覚領域が活性化され、痛みの強さと痛みの情動的側面が軽減されました。

Imai R, Osumi M, Morioka S. Influence of illusory kinesthesia by vibratory tendon stimulation on acute pain after surgery for distal radius fractures: A quasi-randomized controlled study. Clin Rehabil. 2015 Jul 21.

まとめ

腱や関節部分を振動させたり、皮膚を伸ばしたりすると運動錯覚が起こります。その運動錯覚により脳の運動感覚を司る部位が活性化され、痛みの現象が起こる可能性があります。おそらく関節運動の可動域にも変化がでると考えられます。最大限に運動錯覚を起こすには、振動を加えた後、皮膚の伸張を加えるということです。

マニュアルセラピーの世界に、整体や中国整体で「ゆらす」テクニックがあります。
また理学療法やオステオパシーの世界では、ハーモニックテクニックなどのゆらすテクニックもあります。操体法にも足の指を揺らして、そのあとに止めるという方法もあります。

神経への血流改善や交感神経系を介した皮膚への血流増加のほかに、運動錯覚による疼痛軽減も、根拠のひとつになりえます。


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