【末梢神経の圧迫・緊張・滑走・絞扼】

圧迫・緊張・絞扼による影響

神経にこれらの負荷が掛かると、神経への血流と、神経からの排出が阻害されてしまいます。

老廃物の排出ルートですが、末梢神経の内膜にはリンパはなく静脈のみしかありません。

神経へのテンションが続くと、慢性的な血流不全となり、栄養不足、酸素不足、老廃物の排出困難となります。

また神経の軸索自体の軸索流も滞ってしまい、再生や代謝に影響を与えてしまいます。

末梢神経の圧迫

末梢神経は様々な理由から、影響を受けます。外部からの要因としては圧迫が考えられます、

「末梢神経圧迫」の図です。神経繊維は束になっており、脳から全身に分布しています。

神経には色々な太さがあります。細い神経よりも太い神経の方が、結合組織が少ないので圧迫には弱いのです。

構造的な原因

①神経が骨にあたる部位
上腕の骨、上臀部の骨盤、脛骨頭など。

②筋肉や靭帯に挟まる部位
首の筋肉、手首、足首、前腹部など。

③筋膜から出てくる出口
頭部を含めた全身に多数ある。

血管の下を通過する部位
扇状に広がった血管が、神経を使う固定し圧迫する。

⑤傷跡や慢性的な刺激による神経の線維化
外傷後の傷跡が硬くなることと、慢性的に同じ刺激を与え続けている部位の線維化。それによる圧迫。

⑥神経が分枝する点
構造的に負荷がかかりやすい。

習慣による原因

①肩掛けバッグ
いつも同じ側の肩にバッグをかけてしまうと圧迫され、肩・首・腕に緊張を生じてしまいます

②きつい服装・靴・靴下
脇の下、鼠蹊部、腹部、臀部の神経を圧迫します。

③正坐・椅子に座りっぱなし

下肢や臀部の神経を圧迫して痺れが生じます。

上記のような様々な条件により、神経が圧迫され、痛み、しびれ、知覚鈍麻、知覚過敏、腫れ、可動域の低下といった症状があらわれます。

末梢神経の絞扼

絞扼とは、しめつけられる事です。圧迫は1方向からですが絞扼の場合は円の力が中心に向かって働きます。

特に身体の内部から筋膜を通って出てくる部分で、絞扼されることが多くあります。

末梢神経のテンション(緊張)

テンションとは、神経が引っ張られる状態のことで、緊張とも言います。

「末梢神経にテンションが掛かった図」です。

神経の上下にくるくるした紐のようなものがありますが、これが神経への血管です。赤は動脈、青は静脈を表しています。

神経にテンションが掛かると血管は伸びて対応します。しかし過度&持続的にテンションが掛かると対応しきれなくなり、血管が伸びきってしまい、神経への血流と排出が阻害されてしまいます。

テンションが掛かると、この図のように圧迫と同じく神経が細く薄く変化します。

テンションの原因

テンションがかかる原因は、「動き」or「姿勢」です。

①急な動き。

②動かしすぎ、使いすぎ。

③同じ姿勢(動かなすぎ)

これらのように、四肢を動かし過ぎたり、急な負荷がかかったり、持続的な姿勢によって、神経のテンションがかかり過ぎてしまい不快な症状があらわれます。習慣的な身体の使い方の問題が多くの原因を占めています。

末梢神経の滑走

滑走とは、神経容器(神経外膜)の中を神経上膜より内側が滑ることです。

腕や脚を動かすと、筋肉だけではなく末梢神経も滑走しますり

ちなみに脊椎の中の神経も滑走します。ストレッチする時に、筋肉は意識しますが、同時に末梢神経も滑走します。

「動かしにくい」という時、骨と関節の位置関係や筋肉・筋膜の緊張が思い浮かぶと思います。しかし、神経の上膜、髄鞘、結合組織の炎症や線維化により、神経の滑走が悪くなる場合も多くあります。

運動(動く)ことにより、神経の滑走をスムーズにして神経自体の緊張度を下げる働きがあります。また循環が滞っている神経の組織液の分散が、運動中に起こる神経内圧の変化によって進みます。

まとめ

末梢神経は、圧迫・テンション・絞扼により神経因性疼痛が生じることがあります。

それは神経自体が細く薄くなり、軸索流が阻害される事と、神経への血管も細くなることにより、「神経の神経」が侵害受容信号を脳へ送ることで、痛みなどの不快な症状が脳より生み出されます。

参考文献:「Nerve Injury and Repair ,G.Lundborg」、「バトラー神経系モビライゼーション」

バトラー神経系モビライゼーション

末梢神経


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