【触覚/神経終末・感覚受容器】

感覚受容器

感覚受容器とは皮膚や関節などにあり、外部からの様々な情報を中枢神経(脳)へ伝える器官です。

皮膚の感覚受容器は、皮神経の終末として、真皮から表皮にかけて分布しています。

ちなみに表皮は0.1〜0.2mmほどの厚さで神経と同じ外胚葉由来、真皮は1〜3mmで表皮の10倍くらいの厚みがある、筋肉と同じ中胚葉由来の皮膚層です。※下記「」内は引用文章です。

メルケル「持続的に触れる」

表皮の深部に分布。

触れる側

指先にもっとも密集して、触れているものの材質や形を感知する。点字などで活性化。持続的に情報を脳へ送る。

触れられる側

触れられてる間は、持続的に信号を脳へ送り続ける。皮膚に接触したものの形や圧力の変化を感知する。小さい力加減に敏感。マニュアルセラピーでいうと静かに触れ続けるような技術に関与している。

また、「表皮メルケル細胞がやさしくゆっくりと押される機械刺激を受容し、かつ信号を求心性神経に伝えることを証明した」という研究もある。

・Epidermal Merkel cells are mechanosensory cells that tune mammalian touch receptors/Srdjan Maksimovic, Masashi Nakatani, Yoshichika Baba, Aislyn M. Nelson, Kara L. Marshall, Scott A. Wellnitz, Pervez Firozi, Seung-Hyun Woo, Sanjeev Ranade, Ardem Patapoutian & Ellen A. Lumpkin

マイスナー「触れはじめ」

真皮の浅部に分布。

触れる側

接触の開始と終了だけ信号を脳へ送る。指先や顔などに多く分布し、点字のようなものの盛上りや形を感知する。触れた時と離したときに活性化する。

触れられる側

軽いタッチに敏感であり、服を着た時は服の存在を感じるが、しばらくすると感じなくなるような働き。触れられた時と手が離れたときに活性化。

ルフィ二「伸ばす」

真皮の深部に分布。

触れる側

ひっぱるような皮膚の伸展に反応する。また、受容野が大きいので、遠位からのひっぱりにも反応する。

触れてる間は情報を脳へ持続的に送り続ける。

触れられる側

皮膚をひっぱられると反応する。触れられてる間は持続的に信号を脳へ送り続ける。

また、関節の皮膚にあるルフィ二の働きにより、関節の角度や位置の情報、体性感覚を伝えている。マニュアルセラピーでいうと、つまむ技術、デルモニューロモジュレーション、操体法の皮膚へのアプローチ、Neuro Relaxなどで活性化させる神経終末です。

パチニ「強く触れる、ゆらす」

真皮の深部に分布。

触れる側

触れはじめと終わりだけに反応する。主に振動により活性化する。

触れられる側

触れられる始めと離された時とだけに反応。微細な振動に極めて敏感。また強く押されたときにも活性化するが、持続的な圧には活性化しない。

受容野が大きく感度が良いので、遠くからの振動にも反応する。マニュアルセラピーでいう、ゆらす技術・ハーモニックテクニックなどで活性化される。

C線維/自由神経終末「痛み」

侵害受容刺激(ケガなど)があった場合、太くて伝導速度の速い有髄繊維であるAδ繊維が、まず侵害受容信号を脳へ伝える。

その後に来る二次的で持続的な痛みは、細くて伝導速度の遅いC繊維が侵害受容信号を脳へ伝えます。終末が感覚受容器などの形をとらず、軸索のままなので自由神経終末という。

また、ポリモーダル受容器ともいい、機械刺激以外に熱、化学刺激にも反応。

Aδ繊維の太さは0.005mmほど、C繊維は0.001mm以下のサイズ感。

CT線維/心地よさの神経繊維

皮膚をゆっくり撫でると心地よさを感じるという働きのある神経繊維です。神経終末は有毛部にしかなく、毛の動きに反応します。グルーミング(霊長類の毛づくろい)による社会性に役立つ働き。鎮痛効果もある。

また、アロディニア(触れるだけで痛い)などの神経因性疼痛で軽い接触は、CT繊維の処理の低下と関連している可能性。

・Tactile C fibers and their contributions to pleasant sensations and to tactile allodynia.Liljencrantz J, et al. Front Behav Neurosci. 2014.

接触にまつわるその他

伸展活性化イオンチャネル

神経細胞の膜にあるイオンチャネルの種類の一つ。膜が引き伸ばされた時に活性化する。接触を電気信号に変える働き。

神経終末の細胞膜に埋め込まれた伸展活性化イオンチャネル。細胞膜が引き伸ばされたり、変形した時に活性化します。接触が電気信号に変換する働きがある。

TRPV2

TRPVは熱や辛味のセンサーとしての働きがあるが、皮膚をさする・伸ばすということにも関連。

「TRPV2センサーは、「さする」などの伸展をうながす物理的な力がかかったときに働き、神経が突起を伸ばすことを助けている」

「打撲などをうけて皮膚の神経が傷ついたとき損傷部位を自然となでたりさすったりする行為には、TRPV2センサーを活性化させ、損傷部位の神経突起の再生を促そうという無意識の意味合いが込められていると考えれば理屈にあっています。リハビリなどで運動神経などの神経回路を回復させ、運動機能を回復させるためには、このTRPV2センサーの活性化を介した神経突起の再生が重要な役割を果たすものと考えられます。」

・TRPV2 enhances axon outgrowth through its activation by membrane stretch in developing sensory and motor neurons/Koji Shibasaki, Namie Murayama, Katsuhiko Ono, Yasuki Ishizaki and Makoto Tominaga

ケラチノサイト

ケラチノサイトとは、表皮の細胞のこと。

「表皮ケラチノサイトは、末梢および中枢神経系の感覚系と同様の感覚系を備えているようである。 表皮中の神経C末端のみが皮膚表面の知覚に役割を果たすことは長い間考えられていた。… しかし、ケラチノサイトが様々な環境因子を認識し、その後情報が処理されて神経系に伝達されるという仮説を提示する。」

・Epidermal keratinocytes as the forefront of the sensory system/Mitsuhiro Denda,
MasashiNakatani,Kazuyuki,Ikeyama,Sumiko Denda,Moe Tsutsumi.

・その他の参考文献: 触れることの科学/リンデン

触れることの科学


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